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第175話
祈織、おしっこしていいよ
と、きょうへいの優しい声が聞こえて
苦しかったお腹の下から力を抜くと
解放されて気持ちよくなる
おしっこきもちいぃ、と
何にも考えられない頭でもそれだけはなんとなく分かって
よしよしされている気もして幸せになった
けど、しばらくするとなんか冷たくて嫌で目を覚ましたら最悪だった
これで3日連続、
おしりの下も太ももも、背中も
もちろん大事なところまで
ぐっしょりと濡れて冷たくて気持ち悪くなっていた
「おはよう、祈織」
と、手に色々持ったきょうへいが寝室に入ってくる
『どこ行ってたの、きょうへい、』
なんで隣で寝てくれてないんだよ、と悲しくなって涙が出そうになって目を逸らした
「今日はびっしょりだったからな。色々持ってきた」
と、タオルとか
バケツとか色々持ってきたきょうへいは
きっと起きたらおれがおねしょしてるの気付いて片付けの道具を取りに行ってくれていたのだろう
『…ごめん、おねしょ、』
「いや、いいよ。お前は悪くない」
と、きょうへいは励ますためか言ってくれて
頭を撫でてくれる
3日連続おねしょしたから今日は夜おむつって言われるかなって思ったけど
きょうへいは何にも言わないでおれの服に手を伸ばす
『今日、よるおむつ?』
「そうだな。やだ?」
『…やだ、』
「じゃあもう1日パンツにするか」
『お兄さんパンツ、寝る時用の、』
「あぁ、そうしようか」
ほんとうはそれもすきじゃない
だっておねしょするとおむつと同じくらいもこもこになるしおむつより濡れた感じもするから気持ち悪い
でも、おむつは赤ちゃんだけど
お兄さんパンツはちゃんとパンツだし
それにびしょびしょにして迷惑かけるのは嫌だった
きょうへいはしょうがないって許してくれるけど
おれは自分がおねしょをするのが嫌で仕方なかった
おもらしは最近しないのにな
この前きょうへいの舐めて苦しくなった時は勝手に漏れたけどあれはきょうへいが苦しくしたからノーカンだ
「シャワーするか?」
『や、タオルでして』
「タオルな」
きょうへいがおれの身体を優しく拭いてくれる手がずっとすきだ
わざとおもらしすると怒る時もあるけど
手だけは優しくてキレイにしてくれるから気持ちよくなる
身体がキレイになると
おねしょして悲しいのも少しマシになるから好き
『きょうへい』
「なに?」
『おれのおねしょ片付けんのめんどくさい?』
「いや、めんどくさくねえよ」
『おねしょしてごめんね』
「いいよ。前から言ってんだろ。俺お前のおもらしちんぽタオルでキレイにしてやるの好きだし」
と、恥ずかしいけど
おれが考えていたのと同じことを言われて少し嬉しくなる
『なんで?』
「キレイになるとお前気持ちよさそうな顔するだろ?」
『…しない、』
そんな顔してるつもり無かった
だから、おねしょして情けないのにきょうへいいに拭いてもらって気持ちよくなってるなんてことがきょうへいバレてるなんて恥ずかしいし申し訳なくなった
「さて、今日は帰省の買い物だなー」
と、片付けが終わってからきょうへいは色々汚れ物を持って先にリビングに行ってしまった
そういえば今日は仕事は休みだった
特に予定が無いから
アラームをかけなかったけど
きょうへいはお買い物に行く予定があったらしい
「30.31.1は俺の実家で2はお前の実家な」
『うん』
そういえばもうそんな時期だったんだ
もうすぐクリスマス、年末と今年が終わろうとしていた
繁忙期だから最近忙しくて久しぶりに休みなのに
休みの始まりはおねしょして幕開けでそんな良くない
年末きょうへいの実家に行くまでにあと2週間
それまでにおねしょ治るかな
きょうへいの実家で迷惑かけたくないし
コタもおねしょもおもらしもしないからおむつしてないのにおれだけするの恥ずかしいし
きょうへいの家に行くと
食べたり飲んだりとかしすぎるのか
結構いっぱいおねしょしてしまって毎年悔しくて恥ずかしい思いをする
今年こそはおねしょしたくない
元々冬とか寒い時期は
子供の頃もおねしょもおもらしも多くなってたけど
おれもう大人だし…
あと2週間で絶対治そうと決めておれもきょうへいに遅れてリビングに向かった
「そういやなんか欲しいもんある?」
買い物の事かな
『あー、電池』
「電池?」
『テレビのデッキの方のリモコン電池切れてる』
「じゃねえよ」
『何が?』
「クリスマスプレゼントの話。電池はまぁ今日買ってくるけど」
『あー』
そういやもうクリスマスの時期か
そりゃそうか、年末だし
『んー、』
なんだろ、欲しいもん
『新しいパンツ』
「それは年末だから元々買う予定」
きょうへいなんか年末パンツ買うんだよなあ
『じゃあえー、?』
おれの欲しいもんなんて
きょうへいが勝手に全部用意してくれるから欲しいものなんてないのに
『特にない』
「ええ、あるだろ。ゲーム機でもいいし。新しい時計は?」
『去年買ってくれたやつがあるじゃん』
「2個くらいあってもいいだろ?」
『これが気に入ってるからいらない』
「ええ」
車はもう持ってるしな、と物騒な事を言い出す
「アクセサリーはお前しねえもんな」
『きょうへいもしないよね』
「俺は別にするような柄じゃねえし」
『きょうへいしてたら変だもんね』
「お前失礼だな。アクセサリーも興味ないよなぁ…あ、あれは?ちょうどいいんじゃね、」
『あれ?なに?』
「首輪」
と、きょうへいは意地悪な顔で笑った
『まぁ…きょうへいがくれるなら嬉しいけど』
「冗談だよ。本気にすんな」
と、頭を撫でてくれる
本当におれはきょうへいがくれるならなんでも嬉しいし
なんにもくれなくてもきょうへいと一緒にいれればそれでいいんだけどなあ
それに首輪なんて
きょうへいのものって言われてるみたいでうれしいけどなあ
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