1 / 65

第1話 ~prologue~

 遠雷が聞こえていた――  春まだ浅い空に走る閃光が、曇天を突き破って轟き(うな)る。  今にして思えば、これから起こる怒濤の出来事を知らしめる予兆だったのかも知れない。

ともだちにシェアしよう!