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2月7日土曜日

 一言一言噛みしめて、直弥は目を通す。  今まで仕事でしか用途の無かった携帯が、直弥にとって違う重みを感じる物となっている。  生活も世代も交差しない大介と、心で繋がっているんだと、度々襲う不安を取り除いてくれる媒体に。  気恥ずかしくて、素っ気ない返事しか送った事のない直弥が、本当はこんなに何度も読み砕いているなんて、大介は知る由もないだろう。  直弥は髪を掻き上げ自嘲した。 「明日か……」  昼食後、営業車のシートを少し倒し、直弥は目を閉じる。  ほんの五分だけ会い、玄関先で力任せに痛いほど抱きしめられたのは、二日前の出来事。もっと遠くに感じる。  大介は特に最近忙しそうで。  同好会のシーズン中だし、部費稼ぎに頑張ってバイトもしていると判っている。  稼ぎは良くないけれど、働いている自分が助けてやる事だって出来る。  一緒に居る時間も増えるかも知れない。  だけど、大介は決して受け取りはしないだろう。  ------------ [件名]RE: [本文]  早く、会いたい  -------------  返信の画面に、送る事はない短い一行。  直弥は打っては消しを繰り返した。

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