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2月20日金曜日

 大介の学校は今日、午前中授業だ。  学校が早く終わって、帰り一刻でも早く直弥の家に駆けつけたい。気分は直弥の家に行く前に、学校に寄ってる感覚。  今日は忙しい日だろうけど、あの調子だと行けていないかもしれない。  携帯のディスプレイを確認してみたが、着信は入っていなかった。具合悪い中にこちらから連絡するのはしのびない。  始業前、トイレから出てきた時に携帯が鳴った。 「ナオヤさん?!」  慌てて出ると、違った。直弥じゃない。 「もしもし? ……誰ッスか?」     *  *  *    目覚めると、風邪は治って……なかった。  ピークだった昨夜に比べればまだましだけれど、症状は変わらず起き上がれない。  大介が水と一緒に置いてくれているベッドサイトの携帯をてさぐりで掴みとる。  側面のディスプレイに光らせた時間を見ると、もう出社時間は近づいていた 「やばい……連絡しなきゃ」  まだ良く回らない頭でもマズイと察知し気が焦る。一刻も早く会社に連絡しなければいけない。  慣れた手つきで、メモリを手繰る。 「ん……?」  有賀    ……  家  ……  かあちゃん  ……  遠野榮  ……  ……  ……  ……  大成  ……  直弥さん 「?? 」  会社関係のもかけらもなく、履歴を見ても、自分の名前が出てくる。 「あーー! 携帯入れ替わってる?!」  

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