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7月25日土曜日

 直弥が再び顔を上げると、大介は卒倒しそうなほど赤面してた。  正直、こんな事言ったり聞いたりするのは直弥も恥ずかしくて、今にも倒れそうだ。  だけど付き合いだして解った。  大介は、この手の話にてんで弱い。口に出さない。  高校時代直弥の悪友達みたいに、下品な下ネタなんて言わない。  キスまでは強引だったりするけれど、基本直弥の嫌がることも絶対言わない、しない。  それ以上の事については健全すぎて、直弥が逆に気後れすることがある。  まだ18を差し引いても……大介の性格と育ちなんだろう。  結局純粋すぎる大介も、愛おしくてしょうがない。  ”言って貰わないと解らない”  自分の誕生日のお返しじゃないけど、大介を困らせてみたくなった。  リアクションは……やっぱり予想通りだった。直弥だって恥ずかしい。  でも今日は……羞恥心を捨てる。 (これが俺からの誕生日プレゼントだ) 「ダイスケ、想像してる事になったら……俺の事、呼び捨て出来る? したい?」  大介の首に腕を絡め、直弥は耳元で囁く。  返事は聞こえなかった。だけど、大介は僅かに頷いた。 「ダイスケ、しよ」 「……ナ、ナオヤさん……  ……  ……ナオヤ!」 誕生日おしまい

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