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7月31日金曜日

  「一年か……」 「長いのか短いのか」 「あー。色んな事ありすぎて……間違いなく俺の人生で一番スゴい一年だった」  大介は料理を食べながら、純粋な笑顔を直弥に繰り出した。 「”俺の人生”ってお前まだ18歳…… いや、ちょっとまって。ダイスケ……先週18になったばっかりだよな?   今までピンと来てなかったけど、俺と出会った時、17になったばっかりだったのか。一週間ずれてたら……あの頃16だったのかい?!」  直弥は大介に促されてから飲むと決めた、何杯目かのグラスを驚きで手放した。  テーブルに着地したグラスの中でビールが揺れる。 「そうだけど?」 「俺って……」  直弥は冷たい掌で額を覆う。  いくら正体なくす程酔ってたとは言え  いくら大介が当初直弥を諦めようと思い、そっけない大人びた態度を取っていたとは言え (よくも年上に間違えて甘えまくったものだな)  直弥は自分自身に呆れ返った。  凹んで伏せっている所、急に鼻を摘まれ驚き顔を上げる。 「今だから、笑い話だな!」  大介の純粋な笑顔は変わりなく目の前にあった。

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