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8月16日日曜日 2年目
* * *
「ナオヤさん、あのさー。俺、今までどこがどうとか知らねーから、聞かなかったけど……アンタ、どこの大学出てんの?」
「え、俺? ○○大学だけど……」
「え――ーっ?! 嘘! マジで? 超すごいじゃん!」
「いや、そんな……」
「じゃああの、丘の上にある付属のぼっちゃん高校だったのか?!エレベーターで大学行ったのか?」
「エレベ? あぁ、エスカレーターかい? 違う違う。俺はあんなぼっちゃん高校行ってない。大学からだよ」
「そうなのか。それにしてもすごいな。ナオヤさんの大学、榮でも難しいって言ってたぞ」
「いや大学っていっても、それこそ学部によるし。ただ、俺は不器用だったからコツコツ勉強する位しかとりえが……」
ふと顔を上げると、大真面目な顔で大介に見つめられていた。
「何? どうしたんだい?」
「アンタさ、あんな良い所出たのに
今、ぶちょーにいじめられてるのか。……俺、もっと勉強しよ」
「お、お前なあ」
「いででででで!!!!」
直弥は大介の頭についているクリップを取り、髪の代わりに口元をはさんでやった。
ーこっちのお盆休みおしまいー
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