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9月20日日曜日 2年目

「お疲れさん、どうだ?」  最後の当番の時間に、杉崎は部室へ足を運んだ。  前もって言ってはいたが、終わる用意をしても良いと声を掛けに。  部屋に入ると最後の当番大成と、他の部員も集まっていた。 「あ、先生~」 「全然、暇!」 「来てくれって頼んだ奴しか見に来てくれない!」  皆、声を合わせて笑っている。 「それでもよかったじゃないか。自分たちの活動を知ってる人に見てもらえる機会が出来て。良い思い出になったろ!」 「相変わらず、熱いな先生」 「まじめーー」 「うるさい。もう、片づけ初めていいぞ」 「はーい」  見渡すと、大介と遠野の姿が無かった。 「三人だけか? 後二人は? まあ、まだ終わりの時間じゃないもんな」 「岩っちは、俺の前の当番だったから。代わる前、『終わりの時間まで回ってくる』って言ってました!」 「そうか」 「榮は、あれ? そういえば……」 「遅いね」 「何処かへ行ったのか?」  別に文化祭、校内うろつこうが当たり前なのに、遠野の顔が見えない事が気になり、杉崎は行方を聞いてしまった。 (教師の癖に、またおせっかいな事を俺は!)  出来るだけ、もう干渉しないと心に決めているのに。無意識に遠野を気にしてしまう自分が疎ましい。

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