255 / 255

9月20日日曜日 大介 2年目

「な! なんだよ、それ!」  大介は直弥の膝の上で寝返りを打ち、背を向けた。 「……すげー破壊力。心臓、痛い」  大介は顔を真っ赤にして、身を丸めた。 「ダ、ダイスケ? どうした?」  膝の上でそっぽを向いて蹲った大介が心配になり、直弥は大介の額に手を当て覗き込んだ。  途端大介に腕を引っ張られ、指を絡め、手を繋がれる。 「俺、今日思ったんだ。今日一緒に学校に居て楽しかったけど……強がりじゃなくって、アンタが同じ高校生じゃなくて良かったって」  大介は、直弥の手の甲、指に何度もキスをする。 「一緒の高校とか……ムリ。 今日あれだけでも、こうやって手つなぎたくて……ナオヤを触りたくて、倒れそうだった」  徐に半身を起こした大介に驚く間も無いほど、抱き締められた。 「ダイス……」  名前をつぶやきかけた息ごと、大介の大きな口で捉えられた。 「学校で、どこでもだれが居ても、こんな事しそうになる……我慢出来る自信ねーし。俺、ナオヤが居たら退学なるわ」  大介にキスされた指先、手、唇は麻痺してしまって  くっつけられた額から、大介の癖のある笑い声が直弥に振動が伝わり、全身が痺れた。 「だからきっと神様が、今の俺とアンタを会わせてくれたんだ」 ーおしまいー

ともだちにシェアしよう!