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イライラ-6
湊はさらに3日休んだ。
毎日仕事帰りに様子を見に寄った。
みんなからは彼女でもできた?なんて言われたけど。
そして。
今日も湊の家に寄った。
「熱も下がったな。明日から出勤するだろう?」
熱がようやく36度代になった。
「はい。明日から出てきます」
「みんな心配してたぞ?」
特に女性陣と千石さんが。
「すみません」
「なぁ、湊。約束して」
「なんですか?」
「具合い悪い時俺に連絡して。仕事終わったら来るから」
体調悪い時に一人で苦しまないで。
俺を頼ってほしい。
そう思った。
「そんな悪いですって」
「なんで?」
「先輩の彼女が」
「本気で言ってんなら怒るぞ?彼女いたらお前を抱かないし来ないって」
「へ?でも、千石さんからさっきLINE来てて」
「は?ライン?見せて」
湊のスマホをみると……。
『体調はどうだ?辻元がお前のことめっちゃ心配してたぞ?あんまり迷惑かけんなよ?あいつ彼女いるからな』
千石さん。
あんたには話したよな。
二ヶ月前にあの女と別れたのは!!
「二ヶ月前に別れてるから心配ないよ」
「そうですか」
え?
なんでそんな安心したような顔すんだ?
「じゃあそろそろ帰るな。また、明日な」
「はい」
家に帰り着くと千石さんにLINEした。
「千石さん。湊に変なこと言うのやめてくれませんか?」
するとすぐ電話がかかってきた。
『何お前ら名前で呼び合う仲なわけ?』
いつものように人を茶化したような言い方で聞いてきた。
つい、名前で言ってしまったか。
「そんなんじゃないですよ。彼女とは二ヶ月も前に別れたんですよ!あなたにも話したじゃないですか」
『それよりさ、事務にさ横山さんているだろう?』
「いますね。一回食事に誘われて行きましたけど」
『で、彼女がお前のこと気に入っているらしくてな。もし、お前が矢嶋を気に入っているんなら気をつけろよ』
そう千石さんは忠告してきた。
千石さんの忠告は後日本当になるから不安だ。
しかも。
横山さんて、化粧濃いし、香水はキツイしで俺的には無理な人だったんだよな。
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