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イライラ-10

「そろそろ時間か。帰るか」 面倒くさいけど。 このあと会議がある。 今すすめているプロジェクトの。 湊ももちろんその会議に参加する。 「戻りましたー」 「早かったな」 「ただ飯食ってきただけですよ」 「何食ってきた?」 「海鮮丼です」 湊は満悦の笑みでそう言った。 可愛いなぁ。 こいつは。 「辻元ーもっといいもん食わせてやれよ!肉とか」 「矢嶋。肉だと胃もたれするっていうんですよ」 「マジかよ?」 「仕方ないじゃないですか!」 「なぁ。まえに焼肉屋連れて行った時、無理してた?」 「えっと」 「ちょっとだけ」 「矢嶋。そういう時は肉は無理って言えよー」 「誘ってくれたのにそういうこと言うのは…」 「じゃあ次飯食いにいくときはお前の好きなモンな?」 「辻元ーお前らな!仲が良いのはいいんだけどさ、俺がいる前でデートの約束するのはどうかと思うぞ?」 !? はぁ? デ、デート!? いやいや。 俺と湊はそんな仲じゃない。 「デートじゃないですよ。矢嶋会議行くか?」 「はい!」 千石さんから逃げるかのように会議室に行った。

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