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企み-5
聞くつもりはなかった。
課長に頼まれた仕事をしてて。
お茶飲もうと給湯室に行ったら先輩と千石さんがいて。
「俺はアイツが好きなんです」
そう話していた。
先輩に好きな人ぐらいいるだろうし。
それを聞いた時。
先輩に思われているのが羨ましい。
ぼくはそう思った。
人をこんなに好きになるなんてないと思っていた。
恋愛はもう二度としないって。
あの時に決めていたのに……。
気がつくとぼくは涙を流していた。
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