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湊の過去-1
高校時代。
ぼくには一応恋人がいた。
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いや。
正確には恋人と思っていた人物かな。
彼はそうじゃなかったんだと思う。
彼の名前は水嶋航汰 。
高校ではずっと生徒会にはいっていたし。
サッカー部でレギュラーだった。
身長も高くて明るくてみんなの人気者だった。
水嶋くんと知り合ったのは一年の時の学園祭の実行委員の会議の時。
「俺、C組の水嶋航汰。キミは?」
「ぼくはA組の矢嶋湊」
「A組!?めっちゃ頭いいじゃん!」
これがきっかけ。
それからぼくたちはよく話すようになった。
うちの高校はクラスが成績順。
成績上位者が前半のクラス。
成績の下の人たちは後半。
真ん中のクラスは特待入学の人たち。
それから。
水嶋くんはよくわからないところを聞いてきた。
「んーわかんない」
特に理系がわからないみたいで聞いてきては玉砕してた。
「なぁ、矢嶋って卒業後どうすんの?」
「ぼく?」
「そ。俺は医者になりたい」
「ぼくはイベントプランナーになりたい!」
「イベントプランナー?」
「イベントを企画する仕事だよ!」
「へぇーいいじゃん」
そう言ってぼくに微笑む水嶋くんにぼくはときめいた。
今思えば一目惚れだったと思う。
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