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あの時の真相-2
高校時代。
俺はサッカー部に所属していた。
そのおかげかわからないけど。
女の子たちは何故か俺に群がっていた。
気づけばとっかえひっかえ女の子と付き合っていた。
「航汰。また?いい加減にしなよ」
「わかってるさ」
祐樹に言われなくてもわかっている。
そう思っていた。
いや。
わかっているつもりだった。
そんな時に綺麗で頭がいいやつがA組にいるって噂で聞いた。
しかも、かなりのお人好しだと。
なら。
学園祭の実行委員になるだろうから。
柄じゃないけど実行委員になった。
一目見てなんとなくわかった。
「俺、C組の水嶋航汰!」
「ぼくは矢嶋湊。A組だよ」
それから俺は湊と仲良くなった。
作業も一緒になることが多かったし。
学園祭が終わるまでは同じ作業をしていた。
ある日祐樹に言われた。
「なぁ。航汰?お前さ、矢嶋と仲良くしてるんだって?」って。
多分誰かから聞いたんだと思う。
「矢嶋を傷つけるようなことだけはすんなよ!?」
祐樹は友達として心配して聞いてきただけなんだと思う。
「なんだよ、それ。お前まるで矢嶋の親みたい」
俺はそう笑い飛ばした。
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