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その後
重いまぶたをあけると。
白い天井に腕には点滴がつけられていた。
「湊。目覚ましたか!」
「……」
喋りたくても、喋れない。
「大丈夫だから。ゆっくり身体を休めろ」
先輩はぼくの頭を撫でながらそう言ってくれた。
そして。
ぼくは再び眠りについた。
**********
そして。
ぼくは再び声が出なくなっていた。
「声が出なくてもいいじゃないか」
先輩は、ぼくにそう言ってくれた。
「俺がそばにいるから」
先輩はそう言って抱きしめてきた。
そばにいるから
どういう意味だろうと思っていると。
「湊。俺はキミが好きだよ。その……恋愛的な意味で」
俺はキミが好きだよ。恋愛的な意味で
一瞬夢でも見ているのだろうかと思った。
だって。
先輩は他に好きな人がいるって思ってたから。
まさか、先輩の好きな人がぼくだとは思わなかったから。
「湊。返事が欲しい。もし、湊も同じ気持ちなら俺を抱きしめて?」
先輩がそう言うから、ぼくは先輩を抱きしめた。
きっと、今のぼくは顔が赤くなっていたと思う。
でも。
ぼくは先輩が好きだから。
「千石さんは?」
"千石さんはぼくが先輩を好きだから。先輩がぼくをどう思ってるから知りたいから協力してもらってただけですから"
「なぁ。湊?俺とこれからも一緒にいて欲しい」
"これからも"ってまるでプロボーズみたい。
ぼくは頷いた。
『ぼくも先輩と一緒にいたい』
「違うだろう?名前で、悠って呼べって言っただろう?」
『はい。悠さん』
それからしばらくして。
ぼくは退院した。
それと同時に……。
悠さんと一緒に暮らすことになりました。
退院して。
課長に報告しようと会社に行こうと思ったんだけど。
スーツを着ようとすると息苦しくなって、千石さんに首を締められたことがフラッシュバックしてしまい。
会社に行けなくなった。
「俺と一緒に暮らそう?そんな状態の湊を一人にできないし。湊を養うぐらいはできるよ」
笑いながらそう言ってくれた。
こんなに弱いぼくを悠さんは全て受け入れてくれた。
1日でも早く声がそして会社に戻るために医者がすすめるようにカウセリングを受けて思う。
今はこんなぼくですけど。
ぼくは悠さんが好きです。
好きな気持ちはだれにも負けないから。
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