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第18話 寵愛と溺愛

 昼休みは三人で弁当を食べ、たわいもない話をした。アリス達はすっかり仲良くなり、紫苑が親の転勤でこの学園に転校してきた事情も聞けた。慣れない日本の生活に戸惑いながら、今日初めての電車で痴漢に遭い、大変だったらしい。 『助けてくれた男の人、とっても格好良かったんだ。同じ男なのに、一発で痴漢を仕留めてくれてさ、格好良かったなぁ……』  艶やかな頬を林檎のように赤らめて、うっとりとした表情で紫苑は想い耽っていた。 『そいつ、童貞ですけどね』と言いたい衝動を抑えて、「そうなんだ」と短く相槌を打ちつつ、雅也と聞いていた。トロンと蕩ける顔をした紫苑は恋した乙女のように見えた。  なんだ、水樹の婚約者なんて嘘だったんだ。運命の番って門倉なんじゃないか?と思いつつ、アリスは可憐で美しい顔を眺めていた。  昼休みを終え、ホームルームが今日一日の学園生活に終わりを告げる。無事にサバンナで餓えたライオンのようなΩ達から逃れ、やっと放課後まで生き延びられた。ほっと安心してfujjossy学園の校門をくぐり、帰宅しようとした。 「おい! アリス、どこにいたんだ?」  校門脇で待ち伏せしていた水樹に捕まえられ、手首を強く握られ引き寄せられる。鍛えられた胸筋が後頭部に当たり、見上げると鬼の形相で水樹が頭上から見下ろしていた。 「どこって。……教室だけど?」 「……教室? ……………ちょっと待て。おまえ本当にどこにいた?」  水樹は顔を近づけ、神妙な面持ちで匂いを嗅いでくる。  (え? なに? なんで俺、今日はこんなに匂い嗅がれるの?母さん、柔軟剤を変えた?) 「な、なに?」 「……この制服は誰のだ?」  水樹は怒りを含んだ声で言い放つ。 「誰って、誰でもいいじゃんか」  たじたじと校門を背にして、水樹に追い詰められる。水樹は怒った様子で、おもむろに携帯を取り出して誰かに用件を申しつけた。直ぐに黒のフォードが迎えにきて、目の前に止まる。どうやら車の迎えを頼んだらしい。  流石、瀬谷グループの御曹司。電話一つで送迎してくれる。 「乗れ」  有無を言わずに凄まれ、迫力ある威圧感にアリスは尻込みしてしまう。 「え?」 「いいから、乗れ!」  おずおずと逃げようとするが、水樹は許さない。車が到着するやいなや、水樹はフォードに押し込んで車を走らせた。 「他のαの匂いなんてつけやがって!」 「み、みず……ッ、んん!!!」  大きな屋敷に到着し、抱き上げられ水樹の部屋に入る。ふかふかの広いベッドに押し倒されると、ブレザーを剥ぎ取られた。水樹は貪るように唇を重ね、舌を吸ってくる。慣れた手つきでワイシャツのボタンを外していく。 「このαの匂い、誰のなんだ?アリス、言え」  耳元で囁かれ、シャツからはだけて露わになった胸の突起をつねられる。 「イタッ、し、知らない……」  なんなんだ?どうしてそこまで、水樹は怒るんだ?他のαなんて、近づいた記憶があったような……。困惑した表情をすると、水樹は不満なのか乳首を舐めて、強く吸った。 「言わないのなら、俺の匂いをたっぷりと染み込ませる」  ガチャという金属音が頭上から聞こえた。両手を頭の上で纏められ、手錠をされる。自分が手錠で拘束される理由がイマイチ掴めない。 (え、待って、これ本物なの?水樹、おまえは本当に健全な高校生なのか?) 「……え? あっ、ちょっと! ……ぁ、ッ!」   声がくぐもり、身をよじる。腹を撫でられ、おかまいなしに水樹は全身を舐める様に触れていく。 「アリス、おまえは俺のものなんだ。他の男の匂いなんかつけるな」 「やめっ、んぁ、ぁっ……!」  あっという間にズボンを脱がされ、一糸纏わぬ姿に股を大きくひらかれ、水樹の強靭な肉体が割りこむ。窄みがヒクヒクと丸見えになり、水樹が孔へと舌を這わせた。皺のくぼみまで丁寧に舐めとられると、きゅうきゅうと水樹の長い舌を締め付けてしまう。蠢く舌は入口を柔らかくほぐしていく。 「……ここは匂いついてないな」 (そんなところ、舐めるなよ……)  手錠に繋がれながら、股に蹲って舐めていく水樹のせいで羞恥心で身体が火照っていく。逃げようとしても、太腿を大きな掌で押さえつけられ抗えない。  (……………嫌だ)  そう思っても唾液で濡れた乳首からは、じんわりと湧きあがる悦楽が溢れる。頭をもたげ、半勃ちの愚息は薄い先走りをパタパタと鈴穴から垂らしていた。 (駄目だ。今日も水樹に犯される)  甘い痺れに似た感覚に酔ってしまいそうになる。 「み、水樹ッ、まっ、ッ……!!」  そうおもう前に水樹はローションを垂らし、たっぷりと濡らした指を挿入する。粘り気のある液体が後孔の窪みと柔らかな部分を濡らし、ぬるぬると滑らせていく。 「ナカにたっぷりと挿れてやる」  王様のような威厳たる態度で水樹はアリスをみつめる。  するすると指が増えていき、二本の指が孔を縦に拡げ、窄まりの皮膚が伸びていく。そしてローションをさらに追加して流し込まれ、ぬちゅっという音が響いた。二本の指が前立腺という金塊を探りあてるように侵入しては、肉壁をさする。  水樹は愚息を舐めとりながら、後孔を辱しめ、両方をずくずくと責めていった。 「……んっ、ァッ……でる! でる! 水樹……やめろッ」  頭の中でなにかが登り詰め、弾ける。その感覚に背中を仰け反り、足先にはビリビリと甘い痺れがながれた。隠しようがない艶声が唇から漏れ、その絶頂の灯火を水樹が強く吸いとった。  ゴクンという音がし、昂った膨らみは水樹の口腔でしおしおと萎む。それでも満足することなく、水樹はカチャカチャとベルトを緩め、自分のズボンを下ろす。それは浅黒く太い雄が脈を打ちながら待ちかまえていた。 「足りないな。アリス、俺の手でもっと妖艶に乱れろ」  ワイシャツも脱いで、水樹の鍛えられた鋼の身体が見える。水樹は額に汗を浮かべ、獰猛な目つきで睨む。 (あれ? どうしたんだろう?)  水樹の顔を見上げると、眉を顰め荒い息を吐いては苦しそうだ。気のせいか、どこか不安げに瞳の奥が揺れている。  不思議になって見つめていると、水樹はお構いなしにいつもより興奮し、はちきれんばかりの屹立を持ち上げると、弛緩しきった孔に埋めていく。先端の丸みが入り、雄茎で肉壁を裂くように突く。  あっ……と思うと、ずぷずぷと挿入されて、よく見ると根元の亀頭球にも似た膨瘤まで挿入されそうだった。 「たっぷりと飲み込んでもらうからな……」  いつもより硬い雄は、腹の中でドクドクと脈打ち、太い血管が肉壁を押し上げた。 「やめっ……ぇ、ぁっ……!!」 「濡れなくても、ここは悦んで這入っていくぞ」  どんどんと拡げられていき、緩んだ窄まりはぎゅうぎゅうと雄を美味しそうに締めてつけてしまう。 「やっ、あぁ、ッ……!」  奥深くまで挿れられて、水樹が腰に力を込めているのが分かった。強靭な背筋が強張り、臀部までもが強く小さな窄まりへ押しつけてくる。ズチュっと音がして、接合部が見えた。侵入してくる雄が腹から形が浮き出ている。 「悪い、出すッ……!」 「え? ……ァッ……ーー!」  水樹は短く呟き、ビューと腹が熱くなるのを感じた。水樹の硬い雄から大量の精子が放たれている。そしていつもより長い時間射精し続け、迸る。 (め、珍しい)  昨夜は何度も突いて、反応を楽しんだ癖に今日はすぐに達してしまった。ドクンドクンと熱が引いていき弾力を失う。柔らかくなっていくのを浅い息を吐きながら感じた。物足りなさを感じながらも、水樹が呆気なく果ててほっと胸を撫で下ろした。 (ふぅ。終わった。終わった)  力を抜いて安心していると、水樹の舌打ちが聞こえた。 「くそっ! アリス、まだだ!」  水樹は真っ赤になりながら、それでも腰を動かす。え、待って!もう終われよ!まだやんのかよ!  水樹が動くとその摩擦で雄はムクムクと肉壁を拡げて漲ってくる。 「えっ!? あっ、みず、んんッ…!」  バタバタと水樹を蹴ろうとするが、水樹は構わず腰をぐちゅぐちゅ突きまくり、重い肉体を揺らす。自分の放った精子を擦り付けるように、大きく腰を動かす。ぷくぷくと泡立った精液が蕩けた孔から漏れ出ていくのがわかった。 「たっぷりと擦りつけて、俺ものだと知らしめてやる。」  甘い吐息を吐きながら、水樹は肩に乗せた太腿にかぶりついた。 「やっあっ、ぁ…んっ、あああ!」  ビリビリとナカが熱くなり、何度も擦り上げられ、容易く達してしまう。水樹は挿入を繰り返し、腹や顔にも精子を擦りつけた。全身をザーメンまみれにされ、アリスは気を失った。 のちにこれをザーメン地獄事件とアリスは語る。

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