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第21話

「明日の朝食は、私が作ってやるからな。安心して寝坊しろ」 「あ、ありがとうございます」  その優しい言葉の心地よさに、どっと睡魔が襲ってきた。 (うわあぁ……、眠い……) 「三好、寝たか?」 「まだ、起きてまふ……」 「陥落寸前だな」 「甲斐さん、もっとお喋りしまひょぅ……」 「無理するな。おやすみ」 「甲斐さぁん……」  覚えているのはそこまでで、廉は眠ってしまった。  すうすうと、健やかな寝息でぐっすりと。  そんな廉の姿を、熱いまなざしで省吾は見た。 「私が三好に親切なのは、お前のことが好きだからだよ」  鈍感な奴だ。  そこもまた、魅力なのだが。  無防備な廉の頬に、省吾はそっと唇を落とした。  優しい、穏やかなキスをした。

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