100 / 114
特別番外編【Voice21】
♪。.:*・゜♪。.:*・゜♪。.*・゜
五時限目の授業を堂々とサボって教室に戻ると、黒瀬が悲壮な表情で俺に駆け寄って来た。
「箱崎、顔色がよくないけど、やっぱり具合が悪かった?」
「えっ?」
「だってここのところ、若林先輩に呼び出されていたでしょ。暗い顔してここから出て行くのを見ていて、正直心配してたんだ」
若林先輩に呼び出された過去がある経緯から、俺を心配してくれる黒瀬に、力なく首を横に振った。
「箱崎?」
「俺さ、現在進行形で、若林先輩と付き合ってるんだ」
「それってなにか弱みを握られて、無理やり付き合ってるんじゃ――」
黒瀬は大きな瞳を潤ませて俺を見つめる。若林先輩が悪いことばかりしているから、そんなふうに思われるのは想像ついた。本当に困った人だと思われる。
「違うよ。俺が好きで付き合いはじめた。さっきまであの人を、とある場所で掘ってたんだ」
「掘っ? ちょっ箱崎が抱く側なのか?」
驚きのあまり、驚愕の面持ちで俺を見上げる黒瀬の顔がすごく面白い。こんな姿は、そうそう拝めるものじゃないだろうな。
「意外だろ」
自分の席に移動しながら答えたら、黒瀬は横から俺の顔をまじまじと見つめる。
「でもどうして顔色が悪いの? 疲れたから?」
「さあ~、どうしてだろう」
黒瀬から直視されるまなざしをやり過ごすべく、あらぬ方向に視線を飛ばして、ゆったりと椅子に腰かけた。脳裏には、さきほどまでの卑猥な行為が鮮明に流れる。
お互い、とてもいい雰囲気だった。時折痛いことをして若林先輩を感じさせつつ、大事なところを入念に解していった。
『慎太郎っ…早くぅ、あぁっ…』
若林先輩は腰をくねらせながら、俺自身が挿入されるのを待つ。本当はすぐにでも挿れたかったが、前回失神したのを考慮して、しっかり解さなければと説得を試みた。
「アキラ先輩ダメですよ。俺のは大きいんだから、ちゃんと解さないとつらいでしょう。俺だって気を失った人を抱くなんて、もう嫌ですからね」
『わかって、る…そんなの、あうっ…でもおまえと早く、ひとつになりたくて』
自身の両膝を持ち上げて俺を心待ちする若林先輩に、困った顔をして見せた。
「それは俺だって、同じ気持ちですけど」
『慎太郎……まだ?』
「ああ、もう! わかりましたよ!」
(モノ欲しげに何度も強請られて、無視できるヤツがいるなら見てみたい)
そんなことを考えながら、解しまくったところに先端を押し当てて、入口付近で出し挿れしてみる。
ともだちにシェアしよう!