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特別番外編【兄貴の愛情の表し方7】

「辰之、そんなに感じてるのか? すげぇエロい声が出てる」 「もっ…やっ、変にな…るぅ。はぅっ!」  どうにも我慢できなくて、両足を意味なくジタバタさせるしかない。 「感じるたびに辰之のナカが、俺の指を締めつける。きっと気持ちいいんだろうな」 「んっ…だったら確かめてみなよ。ゴムなしで挿れて」 「ゴムなしって、そんなことしたらおまえ――」 「兄貴にも味わってほしいんだ。そして乱れてほしい。僕のナカにいっぱい愛を注いで」  快感に打ち震える躰は、さらなる快感を求めた。腰をちょっとだけあげながら両腕で膝裏を持ちあげ、挿入しやすいように兄貴に見せつけると、挿れられた指がずるりと抜け落ち、それを塞ぐように兄貴自身の先端があてがわれる。 「早くっ、早くきっ!」  急かす僕の声をなきものにした強引な挿入。いつもより解されていないそこは、兄貴自身の挿入を拒む。 「キツっ……、くっ」 「ぁああっ! は…ぁっ……!」  無理に押し広げられる感覚は確実に痛みを伴うものなのに、それすら気持ちいいと感じてしまった。まるで兄貴自身のカタチを覚えるようなそれに、愛しさすら覚える。自然と目尻に涙が浮かんだ。 「媚薬ローションもそうだけど、辰之のナカも相当ヤバい。俺のに絡みついてくる」 「兄貴ぃっ、ぁあ…ふ…ぁも、もっと奥に。深く繋がりたい」 「奥のぐりっとするところだろ。そこを狙うと、いつもより短くなるけどいいのか?」  僕のナカを堪能するように浅く出挿りさせていたが、徐々に奥を目指して突き進んでくれる。擦られるたびに沸騰するように腰から下が熱くなり、イキたくてしょうがなかった。 「短くて…いい。僕もうイキそ、あっん…」 (兄貴と一緒にイケないのはつまらない。さっきから感じさせられるせいで感度が二倍になっているし、散々我慢したあとでこうやって貫かれると、必然的に先にイくことになるんだよな)  与えられる快感をやり過ごすべく、まったく別なことを考えてみる。次にこんな機会があったときには、自分から兄貴のを咥えて感じさせようと思った。もしかしたら、一緒にイケるかもしれないと――。  スムーズにコトを進める計画を、頭の中で入念に練っているときだった。 「やぁっあっ!」  目の前に突然火花が散る。完全に油断していた。兄貴の先端が、僕の奥深くを容赦なく貫いたタイミングだったらしい。火花が散ったと同時にイってしまって、自身から白濁がはしたないくらいに溢れ出る。

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