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特別番外編【兄貴の愛情の表し方6】

 下半身のすべてをさらけ出すポースに、恥ずかしさがないと言えば嘘になる。赤の他人に見せるなら、すごく恥ずかしいけれど――。 「僕のすべてを大好きな兄貴に見せたいから、恥ずかしくなんてないよ。兄貴にキスされただけで感じてる、僕の大事なトコロをしっかり見て」  静まり返った暗闇の中で、僕の告げた言葉が妙に響いた。 「俺に見せるだけで、終わらせるつもりなのか?」 「まさか。兄貴の好きなようにして」 「それじゃあ、たっぷり感じさせてやる」  兄貴はクスクス笑いながら、ベッドの下に腕を伸ばす。あらかじめ床に置いてあったものを手にし、カチッと蓋を開けた。 「兄貴、それなに?」 「辰之を感じさせるために、こっそり用意してた。媚薬入りのローション」 「媚薬入り!? そんなの使って大丈夫?」  驚きのあまり起き上がり、兄貴が持っているローションの容器を、まじまじと見つめてしまった。容器からローションを垂らした手が、僕の秘部に触れる。ぬちゃっという卑猥な音と一緒に、兄貴の指が挿入された。 「ぁ、ああっ!」  ローションで濡れた皮膚だけじゃなく、ナカも熱を帯びていくのがわかった。媚薬効果の早さに不安が拭えない。 (――このまま熱が上がっていったら、僕はどうなってしまうんだろう) 「辰之のナカ、俺を欲しがってヒクついてる」 「んぅっ、ずっと…欲していたよ」  まったく触れてもらえない僕自身は、悦びの涙をじわりじわりと溢れさせる。出し挿れされる兄貴の指が増えるのを目の当たりにして、自ら腰を振ってしまった。 「あっ兄貴ぃっ…も、もっと! もっとゴシゴシして」 「ココだけじゃ足りないだろ。コッチもかまってあげないと……」  嬉しげに告げた兄貴の口が、僕自身をねっとりと飲み込んだ。包み込まれる兄貴の口内のあたたかさに、感度がどんどん高まっていく。 「ンンぅっ!」  自分の下半身でおこなわれている行為を、もう見ていられなくなった。ベッドに身を投げ出して、感じるたびに全身をビクつかせる。すると僕が倒れるのを待っていたかのように、兄貴の空いた手が胸の突起を容赦なく摘む。 「ひゃっ! あああぁあぁっ」  痺れるような快感に、目を瞬かせるのがやっとだった。しかもさっきから声のボリュームを抑えることができなくなっていて、卑猥な水音よりも僕の声が部屋に響きまくった。

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