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所詮、占いだし。そこまで気にする必要はないよな。それに考えれば、蟹座の人に付きまとわれるってことだろ? ある意味ラッキーじゃん。ラブストーリーの始まりじゃん! 「おはよう、エマ。朝から気合い入ってるね」 「……げ。間宮かよ」 朝っぱらから間宮の顔見るとかベリーバッドだ。同じクラスだからどうしても顔合わせるんだけど。 「俺じゃ悪い? でも、エマに声掛けるのって俺ぐらいなんだから感謝しろよ」 「う、うるさいな……!」 失礼な奴だ。まるで俺が愛と勇気だけが友達な奴みたいな発言しやがって。……確かに、こうやって声掛けてくる奴は不本意ながら間宮しかいないけどよ。で、でも、普通にプリントの受け渡しぐらいはしてるし! まだ緊張が解れてないだけだから! まだ望みはある!……はず。 「あれ、エマ泣いてんの?」 「あ!? だ、誰が泣くか……!」 ゴシゴシとキツく目元を擦る。ちくしょう、泣いてなんかないやい。目にゴミが入っただけだ。 「エマ」 「なんだようるさ……」 顔を上げようとしたところ、唇に、ふに、と柔らかい感触がする。そして、なぜか眼前には間宮のどアップが。 ……え? え? なに……? 衝撃のあまり頭の中は真っ白。まともに脳は働かず、硬直するしかない。 動いたのは間宮の方で、俺から身体を離すといつも通りの笑みを浮かべた。 ほんの一瞬だったんだろうが、俺には何十分にも感じられまだ俺の中では時間が止まったままだ。それでも、なんとかして口を動かす。 「な…なに、してんの…」 「味見?」 「ふっ……」 「ふ?」 「ふざけんじゃねぇよ!!」 やっと動き出した身体は激しい怒りに苛まれ、ぐるりと身体を回転させて走り出す。どこに向かうかって? 水道に決まってんだろ!!

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