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モンスター居住区?

 時代は変化する。太古の昔から存在を噂されていた妖怪のみならず、毛むくじゃらな山男や異臭を放つゾンビ、動物に姿を変えるシェイプシフター、そういったモンスター達が街を自由に闊歩する世の中へと変わった。そして法律の名のもとに、普通の人間を『人間種』と呼び、モンスター達を『人間外種』と言い換えた。  そこで問題となったのが、特殊能力を持つ人間種をどう扱うのかということだ。彼らは能力のせいで忌み嫌われることが多い。モンスターに自由を与えるのであれば、彼らにもその権利をと叫ばれ始めた。とはいえ、彼らは人間種として生まれている。どちらの権利で生きるのかを選択可能にする、『人間外種登録変更制度』という長ったらしい名称の法律が作られた。  能力を明らかにする検査を受ける以外にも、条件がある。モンスター達の権利が認められている場所、すなわち、人間外種特別保護区域―――通称モンスター居住区で暮らさなくてはならなかった。

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