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ヴァンパイア?

 モンスター居住区で、人間種相手に占いを生業とするアスカも、『人間外種登録変更制度』を利用した一人だった。両親には泣いて止められたが、どうにか説得した。  真面目な二人だが、子供への愛情は偏っている。人間種である両親には、わからないことなのだ。特殊能力を持って生まれた我が子を理解するよりも、守ることだけを生きがいにした。両親のことは大切だが、自分の能力を信じるからこそ、アスカは高校卒業を契機に、親元を離れる決意をして、モンスター居住区に移住した。  アスカの『人間外種特別保護区域』への居住許可証には、『霊媒』と、その能力が記されてある。『人間外種登録変更制度』のもう一つの条件が、能力の活用にあるからだった。占いを仕事と認められたのも、『霊媒』によるところが大きいのだろう。  ところが、どういう訳か、今日の最初の客はヴァンパイアだった。元は人間だが、今は立派なモンスターだ。霊媒は通用しない。占いは無理だ。

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