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他人のあんた?

「俺だって気に入らねぇさ」  ウキウキした気分がそうさせたのだろう。アスカの口も滑らかに動く。 「オヤジに似りゃあ良かったって思っちゃいるが、母親に似ちまったんだ、仕方ねぇだろ」  この顔にぎょっとされたのだ。礼儀もへったくれもあるものかと、アスカは思うがままに話を継いだ。 「母親はちょっとばかしズレちゃいるが、顔とおんなじで可愛い女でさ、それをクソなんて、俺には言えねぇなぁ、言える訳ねぇじゃん、抜けてたってさ、曲がりなりにも親なんだぜ」  気持ちが弾むと、我知らず、饒舌になるとは思わなかった。ヴァンパイアへの恐怖もなおざりに、調子付いた口が好き勝手に言葉を吐き出して行く。雑な言い回しになろうが、占い師と客の関係に支障はない。アスカは母親似の可愛らしい顔を、皮肉めいた笑いに歪めて続けた。 「まっ、あんたは客だしな、好きに言ってろって感じだが、俺にしたらさ、他人のあんたに言われたくはねぇ……ってとこだけどな」

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