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小さ過ぎて?
アスカの周りの聖霊達は、ぺちゃくちゃと遠慮なしに喋る。名刺に宿る精霊は全てにおいて珍妙なようだが、その目新しさもアスカには苛立たしいだけだった。アスカは精霊達へのうざったらしさを思い、名刺に宿る精霊にも手厳しいまでに声を荒らげた。
「聞こえねぇってんだろ!」
名刺に宿る精霊がびくついた。実体のないものであっても、仄かな光の揺れ具合で嫌でもわかる。まさにぷるぷると震えているようだった。
「えっと」
アスカは僅かばかり身を引きながら思っていた。聖霊達はモンスターの噂をしない。モンスターの持ち物にも宿らない。あの男からも精霊達の声は一切聞こえなかった。それが残された持ち物から声がする。何が起きているのかを知るにも、だんまり状態の聖霊達を当てには出来ない。とするのなら、名刺に宿る精霊に話してもらうしかない。
「なんて言うかさ」
アスカはアスカなりに気を使い、話を繋げた。
「あんたの声、小さ過ぎて聞こえねぇのよ」
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