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むしゃくしゃ?

「始まりは小さき集会でありましたので、放っておきましたが……」  ヌシを意識してなのか、しわがれ声の感極まった口調がより激しさを増した。側で仕える喜びを溢れさせ、続けて行く。 「最近はこのような大人数にて、あまつさえ仮装の如き振る舞い、ヌシ様の寛大なるお心によるというのに、非礼なるその所業、仮借なき者どもにございます」  白塗りの少女もそうした奔放さに身を投じたということだ。アスカは少女の鬱々とした表情が甲高い笑いにキャハハと崩れるのを見て、しわがれ声の偏執的な語りをそう解釈した。そこで動画は終わったが、無知な自分に悶々とするには十分な長さには思えた。  精霊達がルンルンに噂していたのかもしれないが、喧嘩上等の硬派な耳を惹き付ける汗臭さがあればまだしも、チャラいパーティーでは耳を素通りする。わかっているが、大して違わない年齢を思うと、急に老け込んだ気がしてむしゃくしゃし、惨めなことに落ち込まされもした。

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