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ヴァンパイアコス?

 タブレットには薄暗い中に溢れる光と音の騒がしいパーティーが映されていた。少しして、見た目がヌシと同年代の少女の顔で画面が満たされた。少女は幼さの残る可愛らしい顔をヴァンパイアの白蠟気味の肌のように白塗りし、瞳もカラーコンタクトで銀白色を帯びさせている。それがヴァンパイアのイメージというのか、鬱々とした表情をして見せていた。 「なんだ?」  アスカには訳がわからなかった。思わず男の肩越しに、ヌシへと直接話し掛けてしまったが、答えるのも汚らわしいと、ヌシにはそっぽを向かれた。それを受けてのことだろう。しわがれ声のヴァンパイアが得々と話し始めた。 「ヴァンパイアコスと呼ばれるものでございます、糧になる気骨もない、思い入れ薄い者達による卑しき催し、元より、ヌシ様は許可など、お出しになってはおりません」  しわがれ声にはヌシの代わりというのが誇らしくてならないようだ。徐々に口調を感極まったように上ずらせていた。

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