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思い切り歪めた?

「クソっ!てめっ!」  アスカに言えたのはこれだけだった。男を罵倒し尽くすにも、瞬間移動されては続けられない。 「うぐっ」  次にアスカの意識が捉えたものは、男ご自慢のウルトラハイパースポーツカーだった。それを支えにして、ピカピカのボンネットに顔を映しながらえずいていたのだ。男はスラックスのポケットに手を入れ、足を軽く交差させてドアにもたれ掛かっている。胃のムカつきがなければ、アソコが歓喜しそうなくらいに粋な立ち姿だ。そうした見映えのするカッコ良さで、クソマジにヤバい響きに笑いを含ませ、男が言った。 「気分が悪いのか?」 「う……るせ」  聞くまでもないことを問うところに、男の嫌らしさが表れている。それならと、アスカはウルトラハイパースポーツカーの―――別名クソ車の、ピカピカなボンネットに思う存分吐くことにした。 「おえぇっ」  男がハンサムな顔を思い切り歪めたことで、アスカの最悪だった胃のムカつきも宥められる。

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