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面倒くせぇ?
ヌシは細くたおやかな美少年で、アルファは男臭い筋肉質な色男だ。見た目の違いにあるように、二人には人間との付き合い方にも大きな違いがある。アスカにはそう思えてならない。
「どっちも拘ってっからな」
モンスターに雇われたがる人間はモンスターに尽くすことしか頭にない。ヴァンパイアに仕える者達にその傾向が強いが、身の回りの世話をしわがれ声にさせているのだから、ヌシ自身は普段の生活に人間を立ち入らせていないようだ。しかし、アルファは違う。アルファ率いる『人間外種対策警備』には人間の職員がいる。人狼と肩を並べて働く人間達はアスカと同類の特殊能力者で、法的にはモンスターだが肉体的には人間だ。仕事の依頼も人間からのものが多く、アルファは普段から人間と密接に繋がっていると言えるだろう。
「んな二人が熱々で?」
うぶなアスカには不思議な感覚だった。
「で、延々とこじらせて?」
すぐにせっかち者らしく思った。
「面倒くせぇ」
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