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胸糞悪い煌めき?
「へぇ、あんたさ、俺んとこで……」
まずはわざと声音を低くして、言葉を繋げた。
「耐え忍ぶ、っうの?」
アスカにしてもモンスター居住区に移り住む前は、聖霊達との会話には気を使っていた。幼い頃は持って生まれた能力のせいで、周囲から気持ち悪がられ、〝あの家の息子〟と呼ばれるだけで、名前がないような扱いもされていた。成長するに従って知恵が付き、うまく誤魔化せるようにはなったが、物に向かって声を張り上げたりすれば、途端に頭がおかしいと囁かれ始めた。それも仕方がないと受け入れていた。モンスター居住区では受け入れる必要はない。アスカの能力をフルに活用するのなら、自然とそうなる。
「クソが!」
腕時計相手であっても、遠慮は無用だ。思いのままに怒鳴っていい。
「とっととうせろや!」
アスカはこれで決まったと思った。ヤヘヱも震え上がったに違いない。そう思って腕時計を見遣ったが、胸糞悪い煌めきは変わらず穏やかに揺れていた。
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