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洒落者過ぎて?
ヴァンパイアと人狼の不仲は誰もが知ることだが、腐れ男とアルファによる愛にも似た見詰め合いには、不仲だけでは説明し切れない熱い絡みを感じさせる。二人には種族を超えた個人的な因縁がありそうだが、気付いたからといって、アスカにどうこう出来る話でもない。二人の戦いは見甲斐がある。そこが重要で、勝負以外の出来事に悩まされたくはなかった。
「っうことよ」
元はどちらも人間だが、筋肉の付き具合からしてアルファの方が優勢に映る。片や戦国の世に生まれ落ちた男は実践的な戦法を熟知する。ヴァンパイアの無敵さも考慮しなくてはならない。肉の塊に勝敗を測るのは短絡と言えた。
「てかさ」
いい年したオヤジにしか見えない二人が、ガキのように拳で遣り合う。その二人の格好が洒落者過ぎて、戦いというには場違いな怪しさも匂わせる。ヤヘヱは〝バトルと申す手合わせ〟と話していたが、それこそがアスカにはクソダサい冗談に思えなくもないのだった。
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