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マジでやんの?
「やっぱな」
アスカはフードを上向け、そこに隠す顔をにやりとさせて言葉を繋げた。
「笑えっぞ」
アルファの装いがマッチョな体型を艶やかに見せる暗灰色のオーダービジネススーツというのは、既に承知していることだ。腐れ男もスーツ姿だが、仕事向きではない。占いの小部屋に現れた時と同じに、ノーネクタイで、瀟洒なカジュアルスーツに身を包んでいる。昨日は濃紺のシルクシャツに同系色のスーツだったが、今日は薄手のブラックタートルネックニットに同色のスーツという出で立ちだった。黒を基調とした中に覗かせる淡い灰色のポケットチーフが気障ったらしいが、嫌みに映らないのは男の着こなしが堂に入っているからだろう。そういった装いの二人が拳で遣り合う。
「ってもだ」
オヤジともなれば、そこには世間体というものがある。アスカは腕時計へとフードを傾け、今も年寄り臭くゆったりと煌めくヤヘヱを期待して続けた。
「おい、奴ら、マジでやんのか?」
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