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マジにムカつく?
「だろ?」
自分自身に同意を求めても、現実は迫り来る。評価は幻想にうずもれ、腹立たしさだけをアスカに残す。蹴られたがった人間の方が増しと思わせる程、罵倒されたがるモンスターは不気味ということだ。フジを最初とし、カフェでの遭遇を最後にと願うばかりだが、目の前でもじもじする案内係を見ると、まだまだ続きそうで不安になる。それを聞くことも出来ない。〝しもべ〟は何かに付けて自らの喜びを優先する。アスカの都合は二の次だ。聞いたが最後、しつこく褒美をせがんで来る。
案内係も子供のようにはにかんで、毛むくじゃらなモフモフ顔を俯かせている。そうした姿がまさにアスカの罵倒をおびき寄せる餌となるのだ。
「……っ」
アスカは我慢した。案内係に向けていた視線もわざとらしく外し、腕時計に宿って一人まったりと寛ぐヤヘヱへと流す。
「おいっ」
呆れた調子に声を掛けた。それでいてふと笑うように言葉を繋いだ。
「あんた、マジにムカつくぞ」
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