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どうしろっての?

「クソ!てめっ!ボケがっ!」  感情的な言葉は正直なものだ。思わず拳にした手で男を殴り付けそうになる。思いとどまらせたのは、兎にも角にも、男に子供扱いされて肩に担がれたことに尽きる。アルファに対するのと同じ扱いであったのなら、恐怖は考えない。殴り倒されようが、何度でも挑んでみせるが、男にその気がないのでは哀れなだけだ。男はアスカの拳を歓迎するかのような笑みを浮かべて、小花柄のクッションを両脇に控えさせつつ、ソファに座って寛いでいる。 「ったく」  アスカは面白くなかったが、意識して表情を緩めた。態度によって男を追い払えるとしても、逆らえば居座られるということでもある。そこを思って、握った拳もゆっくりと解いた。負けを認めたのではない。見せ掛けで男を満たし、退室へと誘導する。場当たり的だが、咄嗟の思い付きを馬鹿には出来ない。 「で……」  それでアスカものほほんと続けて行けた。 「あんた、俺にどうしろっての?」

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