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聞かせてくんね?
アスカの問い掛けに男が微笑んだ。そのまま意味深ににやりとしてみせたのが何とも粋で、それが逆にアスカには憎らしくてならなかった。それでもむすっとはしない。男を追い払う為にと、にこやかに笑い返す。裏切り者のアソコは感じ入ったようにぴくりとしたが、無視しておいた。ソファに座る男を起き抜けに目にした時のように、勢い込んでスウェットを押し上げようとしていないのだ。悩む程のことはない。興奮の後始末をおざなりにされたくないと知恵を回したのかもしれないが、すっと静かに引っ込んでくれている。
「依頼だっけ?」
アスカは満足げにほくそ笑んでいた。アスカがいてこそのアソコだ。裏切り者でも切り離せない存在であり、そこはやはり可愛い。
「話が人狼に逸れちまったけど……」
アソコひとつ取っても調子付いている気がして、のほほんとした口調にも弾むような明るさが出る。
「フジってか、んな話、してたよな?そこんとこ、聞かせてくんね?」
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