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褒め言葉で?

 女にとって友情でしかないのに、男はそこにさえも嫉妬をし、アルファの挑発に乗って戦い続けている。そうした因縁と殿様気質が相まって、人狼に優しくしたという不可解な理由でアスカに突っ掛かりもした。成り行き上、仕方なくといったところだろうが、変異を可能にした愛を思うのなら、そのしつこさも異常とはならない。居座って思い通りにしたがる頑なさとも合致する。アスカにすれば鬱陶しいばかりだが、男を追い払うのが先決で、今は事を荒立てる時ではない。何を聞かされようが検討すると答えて帰らせるのだ。 「で、どうよ」  アスカはやんわりと催促した。検討し続けるつもりの話に意味はない。だからこそ、早く話せと男を促す。 「君は……」  またも男にそう言われたが、ここではアスカの時間に動きはなかった。男も粋な笑いに似合った甘い声音で悠々と思いを言葉にして行く。 「まさしく驚嘆に値し者」  それが褒め言葉でないのはアスカにもわかることだった。

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