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俺もだろ?

 男が何を思ってアルファのもとへと向かったのかは判然としない。アルファの虚妄がどうのと言われはしたが、思いの奥底に女を巡っての争いがあると承知しているからには嘘っぽく聞こえる。つついたところで楽しくもない。それにヌシの用件を伝えてくれたのなら、面倒事が一つ減ってアスカにとって嬉しい限りだが、感謝するとなると次元が別だ。続ける言葉も当然これになる。 「クソったれがっ」  アスカは苛立たしげに繋げていたが、気分的には落ち着いていた。七三の報酬を思えば我を張る意味がない。 「けどよ」  むすっとしつつも疑問を口にし、話を進めた。依頼主は『人間外種対策警備』を頼らなかった。所属する霊媒には不可能と知るはずもないのにだ。そこを不思議と聞いたのだが、男の返しはいともあっさりしたものだった。 「反対派は人なり、霊媒もしかり」 「はぁ?」  人間であるのが理由と理解はしても、アスカに納得出来ることではない。 「てか、俺もだろ?」

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