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魂の討伐を?

 アスカのような能力者は、男が変異した戦乱の時代にこそ現れるべき者なのかもしれない。チヲカテトスルモノの祖にしても、生と死が鮮明な時代なのだから、人間を操っての統治が夢ではなかったはずだ。しかし、今のヌシに見るように、間違いを繰り返すような間抜けではなかった。時代に溢れた感情を味わうにとどめた。男一人を変異させた程度で能力者の誕生とはならない。それも愛による変異というのでは、この星を守護する自然界の精霊も失笑していたに違いない。  それに基本、精霊は人間がすることに介入しない。彼らは観察し、記憶する者だからだ。遥か昔の人間とモンスターとの死闘においてその律を破ったのは、闇のかかわりがあったことによる。そして人間の求めに応じ、彼らの声が聞ける能力者を誕生させた。 「で……」  アスカは気付いた。精霊の声が聞ける能力者は使い勝手がいい。その後も時折誕生させて、浄化も不可能となった魂の討伐を担わせたのだと。

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