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食卓に着いた?
アスカと同じスウェットというには眩し過ぎる装いだった。そこを強調してのことであるのなら、金満ヴァンパイアのクソガキらしく、小学校の入学式を思わせる子供用スーツで来て欲しかった。とはいえ、服装も時代と見た目の年齢に合わせて選んでいるのは理解した。悠久の時を生き抜いて来た者達だが、元は人間だ。男がそうあるように、服装については個人の好きにさせているのがわかる。
「……よな?」
アスカは誰ともなしに問い掛けて、キッチンへと向かった。夕飯には少し早いが、腹が減ったのだ。母親が冷凍庫に用意してくれているフリーザーバックの中身を確かめ、カツカレーにすることにした。野菜たっぷりのカレーにごはん、とんかつを取り出し、順番にレンジで温めて行く。それを皿に盛り付けて完成だ。デザートにはアイスクリームと思いながら食卓に着いた。当然のことだが、そのあいだも、アスカのかしましい精霊達はろくでもない噂に花を咲かせていた。
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