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言葉の意味を?

「てか……」  アスカは何としても近付こうとする魂を見遣り、あっさりと続けた。 「まず無理だぞ」  その時だ。アスカの呟きに答えたように意識に声が響いた。 〝何を……〟  それは渋さの中にも甘さが漂い、アスカをふわふわと心地良い気分にさせる響きでもあった。そしてこの場所へと導かれるに至った始まりの声でもあると、瞬時に気付く。 〝何を……〟  甘さでアスカをうっとりさせたあと、憎らしくも声音に厳しさを加味し、叱り付けて来たことでも、気付きを深めさせる。 「何を!グズグズしている!闇に命じぬか!」 「う……ん?」  そういえばそうだったと、アスカは思った。闇に説明は必要ない。行きたい場所を口にして歩き出せば、近くの領域へと行かせてくれる。まったき闇も闇ということで、闇にすれば同じことだったのだ。開扉の際の暫時の間も、物理的行動である〝値千金の黄金の足〟が示す言葉の意味を解き明かすのに多少時間が掛かったせいと、理解が出来た。

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