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濁りはない?
「……て、て……」
アスカは何としても言葉を繋げようと頑張った。それに体の感覚がないというだけで、意識自体ははっきりしている。踏ん張れば流されることはないはずだ。となれば飛んだ意識も引き戻せると頑張ってみたのだが、意気込みだけではどうにもならず、意識は白く霞むような場所に漂わされることになる。そこは魂が住まう世界に浮遊しているようなものと言えていた。
〝殿……〟
アスカは自分ではない意識が自分を通して口にしたその言葉に、胸の奥深くに潜む女にしてやられたのを知る。
〝お久しゅうござりまする〟
女は男に挨拶をしながらも、アスカへの気遣いを多分に含ませ、続けていた。アスカにはうざったいばかりで、共有する意識に感覚として口元を歪めることで応えてやった。そうしたアスカの思いに、女が微笑んだのがわかる。
〝今少し〟
話を継ごうとするその口調にも濁りはない。アスカの意識にも涼やかに響く。
〝時を……頂きたく存じまする〟
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