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後が怖い?
〝なすべきことを〟
男はそう言った。美しくも人間離れした銀白色を帯びた錫色の瞳で見ているものが、アスカにはわからなかった。そこを知ろうとして問い掛けたその答えに、魂を解放させる糸口が潜んでいたとは驚きだが、アスカにすれば驚きよりも悔しさが勝る。
あの時、男は女のまぼろしを抱き上げ、空へと放り、別れを告げた。可憐な美を腕にいだく雄々しさは壮観で、雅やかな勇ましさに圧倒されもした。見たくないと思うのに、視界に映る幻想美から目が離せないでいた。何故そうなったのか、悔しさがアスカに本当の理由を悟らせる。
〝さらばだ〟
男がそれを口にした瞬間、女も解放されていたのだ。扱いの違いから来る妬ましさで、アスカには気付けなかった。女が〝今少し、時を……〟と言ったのも、短い別れの言葉一つで済ませた男への反発にも取れる。世の女達を怒らせたのなら後が怖い。そこは母親の教育が行き届くアスカだからこそ、思えることではあった。
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