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気配が消えた?

〝この子には……〟  アスカが胸に浮かべた世の女達への思いに応えてのことかもしれない。話を続ける女の声音に母親に似た優しげな雰囲気が匂い立つ。 〝……わたくしの心がござりまする、ですが、わたくしではござりませぬ、同じ〝みつき〟の名を持ちまするも、たまさかなり、この子が申しまする通り、俺は俺にござりまする〟 「無粋なるを」  女は淑やかに、ふふっと含みを持たせて返したあと、口調に心持ち寂しさをまとわせ、話を継ぐ。 〝となりますれば、わたくしが申し上げることはござりませぬ、殿の健よかなるを願うばかりにござりまする〟 「ああ……」  男も同様に、うっとりと聞き入りたくなる程に甘くて渋い声音をどことなく寂しげに曇らせ、続けて行く。 「そなたとのえにし、この数百年と比ぶれたなら、瞬くが如し、だが、予には忘れ難き喜びぞ」 〝わた……くし……も〟  最後は霞むように響き、刹那、女の気配が消えた。代わりに、アスカの体に動きが戻った。

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