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小せぇ野郎だぜ?

「っうか……」  かっかしても仕方がない。アスカは見るともなしに視線を上向け、気持ちを静めた。そして天井に答えを見出したかのように呟いた。 「さっきの、アレ……」  男と女の最期の会話を思い、それが自身の意識内で起こされたことに思考を向かわせた。当然、情感たっぷりな遣り取りがアスカに筒抜けとなるのは承知していたはずだ。だからといって、諸手を挙げて喜べることではない。逃げ出したくもなるだろう。或いは既に魂が解放されていたのに内緒にしていたのがバレて、小恥ずかしかっただけとも考えられる。それとも瞬間移動を使ってまでしてとんずらこいたのを見ると、アスカの怒鳴り声を察知し、単に恐れをなして逃げたという気がしないでもない。いずれにしてもアスカには男が哀れに思え始めた。 「ったくよ」  その思いのままにソファから尻を浮かせ、わざと老練な年寄り臭く緩々と立ち上がり、にやつき気味に言葉を繋いだ。 「肝っ玉の小せぇ野郎だぜ」

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