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拘るだけ無駄?

「気持ちはわかるぜ」  裏切り者のアソコだが、主人には忠実だ。不安にさせない程度くらいの気遣いは出来る。少し遅れた反応にしても、お疲れ気味だったからに違いない。ここ数日の騒ぎを思えば、理解しようことだ。精霊達のかしましさで慣れているとはいえ、ヴァンパイアだの人狼だの、挙句、幽霊だの霊媒だのに振り回されては、疲れもする。 「だろ?」  アスカは心持ち強めに、言い聞かせるようにして呟いた。アソコの好みが男であるのを考えたのなら、疲れを原因とするにはいささか無理がある。男を見知ってからのアソコは意志強固に、何度も悠然と主人を裏切って見せていた。それでもアルバイト風山男に突撃しようという主人には嫌々ながらも反応した。即時にでもなく積極的にでもなかったが、構わない。目くるめく愛欲のもふもふした炎と共に、ルンルンな人生が花開くのだ。魂に刻まれた前世に拘るだけ無駄と、そう思いつつ、アスカは自室へと歩き出していた。

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