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ふざけんなって?

 男が話し終えた時には、ドアは開けられていた。アスカの背後に立って、ドアノブに手を掛けたことで成立した束縛も解かれた訳だ。その時には、耳のすぐ後ろ辺りに響かされた美声と共に、冷えた体温も後ろへと下がっていた。となると、束縛と感じたものに潜ませた男の思いは、アスカがベッドから立ち上がった際に、誘われなかったことへの意趣返しだったと言える。そしてそこにはアスカと一緒に部屋を出るという目的以外に何もなかったことになる。 「ったくよ」  アスカは意識し過ぎた自分にむかつくが、そうした苛立ちを押し隠し、男の話に興味が湧いたかのような調子で呟いた。束縛といった言葉を口にしていないのだ。男との会話を思い返してみても、耳聡いヴァンパイアに聞かれて不都合な内容が一つとしてないのは確かとわかる。 「役所はいいけど、さ」  廊下の先に広がる自由に目を向け、続けて行く。 「あんたの子孫っう一族にしたら、ふざけんなってとこだろ?」

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