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第27話(クリス)
ドクター•クラーク。
とても有能な女性だ。医学博士で確か専攻は精神病理学、病跡学。
WIAニューヨーク支部の医療班班長。
スミス長官とはWIA入局からの同期。長くワシントン本部で医療班の精神科医として働いていた。
彼女は心身共に傷ついたエージェントやその家族に寄り添いWIAを精神的に支えた聖母。信奉者も多い。
あ〜、、、で、僕とは数年前に実は揉めている。
「またドクター•クラークと揉めるつもりか?」
「仕方ないでしょ。僕だってニューヨーク支部に来た以上、仲良くするつもりだったよ」
僕は最速の24歳でワシントン本部科学技術班の班長に就任。更に顧問を兼任していたから、支部の班長を選出する班議会に参加する権利があった。
ドクター•クラークは長年の功績やWIAへの貢献からニューヨーク支部の医療班班長に選出された時に大反対したのが僕。
医療班は救急医療が必要な場面も多い。だから僕は最新の医療知識を持ち外科医として腕の立つ若手医師のドクター•ソナを推薦した。
まあ、そこから若手と中堅で揉めに揉めドクター•クラークとは友好的関係を結べていない。
「お前、頭良いのに世渡りは要領悪いタイプだろ」
「確かに。僕は世渡りも人付き合いも全然ダメかな。友達は2人しか居ないし」
「恋人は?」
「居るように見える?」
「見えねーな」
「君のそーゆー正直者な所は嫌いじゃないな。
恋愛なんていつも片想いばっかりだよ。
僕なんて昨日の夜、初めて好きな子と2人っきりになれたのに星座と宇宙の話に夢中になってたら朝になってた、、、。
君みたいにカッコ良くて筋肉ムキムキだったら苦労しないんだろうな」
「俺も一昨日、狙ってるヤツん家に行こうと思ってたらフラれたよ。まあ、恋愛なんてそんなモンだよ」
「君でもフラれたりするの?!なんか希望が持てたかも」
プルルルル
「ちょうどガルシアだ。どうだった?」
「ドクター•クラークの行動記録はドアロックのスキャンを辿って相互参照しましたが合致しませんね。ただ、ちょっと気になる記録は見つけました。
HIP解析装置をワシントン本部から持ち出された日と同じ日に、ニューヨーク支部からワシントン本部へ医療班の数名が研修に来ています」
「誰?」
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