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第37話
結城におれのはなしをした。
途中だんだんと涙ぐんでしまった。
なさけない。
「だから、おれは、結城とは付き合え、ない。」
「絶対、傷つけるし、悲しませる、から。」
「けいた。」
「扉、開けてもいいか?」
なんとなく結城の顔が見たくなった。
「うん。」
ドアノブを捻って開ける。
結城はドアの前でお山座りをしていた。
結城は案外近くにいた。
ゆっくりと結城は起き上がって目線を近くする。
目がうるうるしていて視界が定まらないが、結城の目もうるうるしているように見えた。
「もし、それでも、こんな俺でもいいなら」
涙を抑えるために一度瞼を閉じる。
「結城と付き合いたい。」
ガバッ
結城に勢いよく抱きしめられた。
「ばかぁ!」
「いいにきまってるし!」
いつの間にか結城の方が泣いている。
「圭太、俺のこときらいだから、ふったんだと思った!ばか!」
ばか、ばかと何度も連呼される。
「じゃあ、俺と,付き合って、」
フニ
と唇を塞がれた。
ゆっくりと離して目を合わせる。
至近距離に上目遣いで目をうるうるさせた結城がいた。
「俺が先に、告白したんだから。
圭太ばっかりにかっこいいことさせないよ。」
いたずらっ子のような顔を見せる。
「圭太が好き。付き合ってください。」
「はい。俺も結城が好き。」
次は不意打ちじゃないキスをした。
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