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第38話

 涙を止めようと、お互い慰め合えば合うほど、涙が止まらなかった。  そんなところに同室の子が帰ってきて気まずい雰囲気になってしまったので、2人で俺の部屋に来た。    ソファにくっついて座る。このソファに座っていると結城が過去を打ち明けた時を思いだす。  なんだかそわそわしている結城が可愛い。  さらっと髪を掻き上げると真っ赤な耳が出てきた。 「かわい。」  チュッ  そのかわいい耳にキスをすると、結城は咄嗟にこっちに振り向くと同時に耳を掌で覆う。  顔も赤かった。 「圭太ってキザなことするよね。」  ごにょごにょと恥じらいを混ぜながらこちらを睨む。 「そう?」 「委員長のくせに風紀乱してるよ。天然たらし。」  そういうことを言われるとこの後しようとしていることに罪悪感がでる。 「ねぇ、」  沈黙の後、口を開いたのは結城だった。 「シたい。」  ああもう。天然なのかあざといのか。 「二言はないからね。」  ソファに押し倒した。

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