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第9話
ルイ視点
葵先輩にお礼を言って部屋を出る。
扉の向こうには人がいた。
長身で、金髪で、ピアスゴツゴツで。
怖いタイプ。
「ねぇ、」
「へ?」
話しかけられた。
「話し合い、終わった?」
「はい!終わりましたよ!」
「そっか、ありがと。」
「いえいえ!」
バイバイと手を振られたから振り返す。
笑顔で、上目遣いで、小さめに可愛くてを振る。
彼が完全に部屋に入ったことを確認したら手を止める。顔も笑顔を忘れたかのように真顔だ。
「あー怖い怖い。」
体格のいい人とか、チャラチャラした人とか、ヤンキーとか嫌いだ。だって怖いもん。
可愛いい子ぶりっ子してればいいと思ったけど、今日のようなことがあったから他の手も考えておかなければいけない。
怖いことがあるとぶりっ子するのは悪い癖だとわかっているけど。
「無理だよバーカ。」
扉の向こうにいるだれかさんに向かって返した。
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